東京高等裁判所 昭和27年(う)3790号 判決
〔抄 録〕
第三点について。
原判決挙示の証拠を綜合すれば被告人は前示池田年枝に対し、原判示塩酸ヂアセチールモルヒネ含有物約二、四三瓦を他に売却する等処分して貰いたいと云う意思の下に之を交付した事実を認め得るのであり、斯の如く、処分の権限を相手方に付与して交付するのは麻薬取締法第四条第三号に云う譲渡に該当するものと解すべきであるから、かりに所論の如く前示モルヒネ含有物が被告人の所有に属しなかつたとしても、被告人に右譲渡の罪の成立することは疑をいれない。その他原審に事実誤認の疑の存しないことは前段説示のとおりである。所論はいずれも採用し難く、論旨は理由がない。